東京フリー旅５

　雨であり早めに近辺の建物を見ながら戻り東京駅内の店を見て、新幹線の発車時間まで過ごした。

　天候に影響され、計画不足もあって要領の悪い行動もあったが、久しぶりの東京フリー旅もいいものだった。

　東京は、オリンピックまでに大きく変わっていく箇所もあるだろう。先のことは判らないが機会があれば、また見学に行きたいと思うが。
　

　

　雨は降っているものの、東京駅内をウロウロするのも疲れるので、皇居前広場の方向へ歩く。晴れていたら皇居の周囲を散策するのもいいのだが、雨で寒いのであまり得策ではない。迷いつつも皇居前広場が見えてきたので、二重橋まで行くことにした。皇居というとここしか浮かばなかったのだ。

　意外と観光バスが多数停まっていて、二重橋までの道は観光客で一杯だ。ほとんどがアジア系の人たちで、中国語らしき言葉がやけに多く聞こえる。雨の中傘を使わない人も多いし、濡れてもいい服装なのだ。彼らは、ここを単なる観光場所としか考えていないのだろう。

　二重橋近くまでくると、更に人が多く団体で写真を撮るために煩いこと。皇宮警察の人が数人じっと行動を監視している。子どもが柵内に入ってしまい注意されるが、何故悪いのか理解できないようだ。親も知らぬ顔だが、止むを得ずという感じで連れて行った。

　手前のアーチ型の橋が二重橋として解釈していたが、地図で見て配置がおかしいと思い調べると、正式には「正門石橋」であった。正門（江戸城の西の丸大手門）は普段は閉じられており、天皇の即位大礼、天皇、皇后、皇太后の大葬儀など特別な行事のある時や国賓来訪の際以外は使われない。とある。

　鉄で作られた奥に見える「正門鉄橋」が、正しくは二重橋という。江戸城の西丸下乗橋のあった位置で、木造橋時代に橋桁が上下二段にであったので、「二重橋」と呼ばれた。現在の鉄橋は昭和３９年（1964）に架け替えられたもので、橋桁は二重ではないのだ。

　たぶん観光客はほとんどが手前に見える正門石橋が、二重アーチ構造であり二重橋であると思うだろう。明治２０年（1887）の建造とあり古いからそう見えるのだ。記念写真は必ずこの橋である。奥の橋は撮り難いし趣がない。

　「手前の石橋と奥の鉄橋が同じ濠に2つ重なって架かる橋だから二重橋」という説明があり、正確には違うことになるが、どうやらこの説で一般的な解釈になるようだ。

　雨の中であり、ゆっくりすることもできず、次々と観光バスがきて団体がくるし、長居は無用と東京駅に戻ることにした。

　　　 ５．二重橋・東京駅見学して帰途につく

　
　帰る日になった。朝から雨で午前中は時間があるのででかけようと思っていたが、寒いし雨は続くので東京駅近辺で考えることにした。

　東京駅は改修されてきれいになっている。丸の内側駅舎の姿が昔の面影になって昭和を感じさせる。工事はまだ続いていて駅前の広場は囲いもあって眺めはよくない。全体で大きく変貌しているのだ。再開発で、東京ステーションシティと命名され、キャッチフレーズは「東京駅が、街になる。」

　明治２２年（1889）年に国鉄東海道本線の新橋 - 神戸間が全通、私鉄の日本鉄道が上野を始発駅として青森に向けて線路を建設中だった。新橋と上野を結ぶ高架鉄道の建設が帝国議会で可決、途中に中央停車場建設も決まるが、日清戦争と日露戦争の影響で遅れ、大正３年（1914）１２月完成し、「東京駅」と命名された。

　東京駅の位置は、江戸時代からの繁華街である京橋側にせず、まだ野原だった丸の内側に建設。皇居の正面に設定され、丸の内口の中央に皇室専用貴賓出入口が造られ、国家の象徴的な位置付けであった。

　駅本屋は、辰野金吾と葛西萬司が設計、鉄筋レンガ造り３階建て総建坪9,545m2・長さ330mの豪壮華麗な洋式建築。南北にそれぞれドーム状の屋根があり、独特の形状で今回の復元もこれが印象的だ。

　多数の建物があり、ショッピング街、グルメ街、オフイス群とあり、大阪も再開発が進んでいるが、さすが規模が違うと感じる。これは駅というよりも都市機能が集中した場所である。

　丸の内口南口前の東京郵便局も日本郵便としはじめてつくる商業施設で、「KITTE（キッテ）」。地下1階から地上6階まで7つのフロアに、全国各地のご当地銘品を扱う食物販店舗や物販店舗、飲食店舗などが入居している。

　この屋上庭園から東京駅の姿をよく見ることのできるスポットだった。あいにくの雨で長くはいられなかった。見にくる人は直ぐに引き返していく。